コック帽は隠せない

20才の頃、
僕はファミレスでバイトをしていた。
高校を出てからは
そこで深夜の厨房のシフトに入っていました。

バイト仲間にAおじさんがいました。
Aおじさんは昼間は自営業の「うどん屋」
夜に小遣い稼ぎに洗い場のバイトで来ていました。

ある日の夜、

Aおじさん

「ちょっと一服してきま〜す」

とバックヤードの方へ消えていきました。


しばらくして・・・


Aおじさん

「やって・・・
 やってまっせ!
 裏の空き地で・・・
 車停めて・・・
 やってまっせ!」

「なに!」

僕たちは
ウルトラ警備隊の霧山隊長よろしく
みんなで先導するAおじさんに続いた。

って・・・

カラの厨房はどうなるねんw



僕たちはバックヤードへ出て
ビール箱を踏み台にして
塀から顔を出して外を見た


IMAGINE!イマジン(想像してください)


夜、塀の上に並ぶ
コック帽をかぶった
生首が5つ並んでいる光景を

・・・むっちゃマヌケw


10mほど離れて、
確かに,
赤い乗用車が
空き地の真ん中に停まっている。

良く見ると・・・

ギシ!ギシ!っと揺れている


ヤってる。(確信)


IMAGINE!イマジン


中はよく見えないのに
ただ、揺れている赤い車を
眺めている、
にやけた、
まぬけな、
コック帽を被った
5つの生首を・・・マヌケ


A隊長(おじさん)

「よく見えないなぁ。
 よし!
 ちょっと覗いてきまっさ!」

静止する僕たちを振り切って
軽い身のこなしで
塀の上に立った・・・A隊長

夜風になびく
真っ白なエプロン

カッコよすぎる

サッ!と飛び降りたA隊長、

スタッ!と着地

カッコいいw

スーパー戦隊のようだった

「厨房戦隊☆ノゾクンジャー」

おそるおそる

中腰で車に近寄る

ノゾクンジャーA

とうとう赤い車にへばりついた

宇宙空間で
ステーションの外で
作業する宇宙飛行士のようだ

こちらを振り返り、
微笑んでうなずく、

ノゾクンジャーA

カッコいいw

体を起こし、
窓から中を覗く

ノゾクンジャーA

覗いてるw
覗いてるw

一生懸命、目を大きく見開いて

覗いてるw

それ以上、見開いたら
瞳孔(どうこう)開きまっせw

しばらくして

「あっ!」

突然、
ノゾクンジャーAが
身を沈めた・・・

「ばれたか!」

身を沈めてじっとしている
ノゾクンジャーA!

しかし・・・

しかし・・・

我々が見た、
衝撃的な事実!

それは・・・




コック帽が
窓から出ている!

しゃがんでも、
長いコック帽が
隠しきれていない!

IMAGINE!イマジン

おそらく車の中からは
窓の外にニョキッと出ている
上半分のコック帽
が見えているはず

手振りで

「もっと沈め!」

あるいは

「帽子!帽子!」

っと合図する
塀の上のマヌケンジャー4人

ノゾクンジャーA危うし!

ブブブブブッ・・・
ブブブブブッ・・・

車がエンジンをかけた!

瞬間的に身を翻す
泣きそうな顔の
ノゾクンジャーA

そして・・・


幸い、車はノゾクンジャーAを
轢こうとはせず(当たり前か!)

ものすごい勢いで
走り去っていった

「あっぶな〜〜!」

瞳孔が開きかけの
ノゾクンジャーAが
すくっと立ち上がり

車が消え去った方向を見つめる

そして
深々と頭を下げた
ノゾクンジャーA

律儀だ・・・

われわれマヌケンジャー4は
勇気ある
ノゾクンジャーAを拍手で迎えた

厨房へ引き返す
われわれは
映画「アルマゲドン」の
宇宙飛行士のようだった



わけないかw

さ〜仕事仕事!


以来、Aおじさんは
休憩の度に
空き地をチェックしている


BEE THINKS ABOUT

copy from my mixi-diary
nick-name 「 HIRO-BEE 」